最新のオラクルパートナー・プログラム(Modern Oracle PartnerNetwork) 虎の巻
こちらの記事は更新時点の情報です。最新情報は公式サイト等をご参照ください。
※2020年12月20日に公開した記事ですが、最新情報の追記やその他の部分も修正して2022年1月6日に再度公開しました。
本日、12月20日はブリの日ということもあり、久しブリにブログを更新します。
Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2020 - Qiita の12/20の記事として登録しています。
1. はじめに
Oracle Cloud Daysが12月15日-18日の4日間開催されますます注目を浴びているOracle Cloud Infrastructureのお取り扱いを検討されているパートナー様が増えております。検討いただくにあたりましてオラクルのパートナープログラムの基本情報をまとめました。
この記事の対象
この記事はこれから新規にオラクルパートナーになることを検討されたい方向けの内容です。既にオラクルパートナーの方には、パートナー様向けのポータルにより詳細な情報がありますので、そちらをご参照ください。
*2021年1月6日時点の情報です。
Modern OPN (Oracle ParnterNetwork)とは
オラクルのパートナー・プログラムの名称はOracle PartnerNetworkを略してOPNです。PartnerとNetworkのスペースを開けずに記載するのが通です。AWS様のパートナーの場合はAPN、Microsoft様のパートナーの場合はMPNのようですので、覚えやすいと思います。OPNは2019年12月に新しく生まれ変わりModern OPNと呼ばれています。プログラムの検討の段階で名称も出世魚のように変わっていきました。これまでの年会費に応じたSilver, Gold, Platinumといったランク分けだったClassic OPNと呼んでいます。
Modern(現代の)クラウド時代に即して、クラウドへの移行を加速させ、より優れたお客様体験とビジネス成果を推進する、お客様中心でクラウドファーストのパートナー・プログラムです。もちろん、ライセンス領域に注力いただくパートナー様向けのプログラムも継続しており、パートナー様のビジネスに応じて注力領域を選択することができます。基本情報はこちらののサイトから確認ができます。
2. ご利用の開始:OPN メンバー登録
特に参加資格等はなく、年会費 $500=6万円*1(税別)で下記から登録いただくことができます。
新しいOPNへの参加とアップグレード | Oracle 日本
登録の流れや、登録する前に準備しておくべき事項は下記にまとまっておりますので、事前にご確認をいただければと思います。
OPNメンバー登録による特典
一部のライセンスの再販が可能になり、旧来のSilverパートナーと同等の特典があります。クラウドサービスの再販は次に紹介しますトラックの選択が必要となりました。
- Oracle 1-Click製品の再販
- Oracle Cloud Marketplaceでのアプリケーションおよびソリューションのリストの公開
- 1-Click製品デモおよび開発ライセンス
- Oracle Universityの割引
- 制限付きの技術サポート
- パートナー会員のロゴ
- OPNポータル
- パートナー・ニュースレター
3. トラックの選択
今回のプログラムの大きな特長は、パートナー様のビジネスに応じたトラックを選択いただくことです。こちらの認定基準はOPNメンバーに登録していることと、各トラックの年会費は$3000=36万円*2(税別)で、複数のトラックを選択いただくこともできます。
各トラックの概要
- Cloud Build (ビルド)トラック
自社ソフトウェアパッケージ等を、Oracle Cloud PaaSおよびIaaS上に構築、またはこれらと統合されたサービスを提供するパートナー/ISV向けのトラックです。
- Cloud Sell (セル)トラック
Oracle Cloudを再販いただくパートナー向けのトラックです。Oracle Cloudのお取り扱いいただくことを希望されるパートナー様の大半と、ドラゴンボール*3世代の方 はセルの選択を検討されています。
- Cloud Service(サービス)トラック
Oracle Cloud Servicesを実装、導入、管理するパートナー向けのトラックです。再販向けのセルトラックと合わせて取得されるケースが多いです。さらにCSP(クラウド・ソリューション・プロバイダ)のExpertise(専門知識)を取得いただくと、CSPと認定されます。
- ライセンス&ハードウェア トラック
その名の通り、Oracle ソフトウェア・ライセンスまたはハードウェア製品の構築、サービス提供、または販売を行うパートナー向けのトラックです。こちらも根強い人気があります。
トラックごとの支援リソースと特典
トラックを選択いただくことによって提供される特典の一覧はこちらで確認ができます。特におすすめの特典をいくつかご紹介します。
- テストおよびデモンストレーション環境のUniversal Cloud Credits
Oracle Cloud(PaaS/IaaS)のテストおよびデモ環境用のUniversal Creditsが年会費と同額の36万円分提供いたします(ライセンス&ハードウェアの場合も18万円分)。年会費の投資に見合うリターンがあるのか迷われているパートナー様には、相応の特典が提供されますのでいわゆる「いってこい*4」になるとご紹介しています。 - テストおよびデモンストレーション環境のUniversal Cloud Creditの割引
上記の環境はテストおよびデモ用途に限定されますので、お客様向けの環境や社内システムとしてのご利用ができませんが、通常レートよりもパートナー様向けに優遇されたディスカウントが適用されています。特に課金の高いサービスのお客様への提供前の検証等にご活用いただければと思います。 - Oracle Unlimited Cloudラーニング・サブスクリプション
OracleはSaaS/PaaS/IaaSの広範に渡る数多くのクラウドサービスを提供していますが、そのすべてのサービスを学習できるオンラインの学習コンテンツUCLS(Unlimited Cloud Lerning Subscription)をセルトラックの場合は1ユーザー、ビルドトラックとサービストラックの場合は5ユーザーずつ提供いたします。
4. 専門知識の獲得
トラックを選択いただいた後に、オラクル・テクノロジーの構築、販売、またはサービスの提供に関係なく、ビジネス・モデルに合わせた対象認定基準を満たすことにより、トラック固有の専門知識を獲得いただきます。その一覧は、Expertise(専門知識)カタログで確認ができます。
Oracle Cloud Platfom(PaaS/IaaS)を再販いただく場合の専門知識を例にご紹介します。
- 専門知識カタログのCloud SellのタブからOracle Cloud Platformを選択
- 必要となる認定基準の詳細を確認
セールス・スペシャリスト/ソリューション・エンジニアはオンラインのトレーニングを受講いただきます。AND条件になっている部分は1名の方が最低2つずつ取得いただく必要があります。翻訳が追いついておらず、英語のコンテンツとなっており申し訳ありません。
上記2つは時間をかけていただければ完了できると思いますが、アーキテクトは下記認定資格の取得となりますので、若干ハードルが上がります。
Oracle Cloud Infrastructure 2020 Architect Associate
認定試験対策はOracle Universityから提供しているコンテンツや、過去に合格をされた方がブログ等で情報を公開されていますので、こちらも参考になります。またOPNメンバーに登録いただくと、過去に開催しましたパートナー様向けの対策のセミナーのコンテンツにもアクセスできるようになります。トラックの特典で提供されるOracle Cloudの環境や、Oracle Unlimited Cloudラーニング・サブスクリプションも活用しながら認定資格の対策を進めていただければと思います。
全国のちびっこ諸君が、将来オラクルパートナーになってOracle Cloudを使いこなしていだけるよう大ヒット中の鬼滅の刃の水の呼吸 壱ノ型 水面斬り(いちのかた みなもぎり)*5にちなんで、雲の呼吸 セルの型 Oracle Cloud Platform斬りのようなものと思っていただければと思います。
少し脱線してしまいましたが、残りの記事を書き上げることに全集中します。
Oracle PartnerNetwork | Partner Finder
日本を含むグローバルのパートナー様の一覧はParnter Finderで検索がいただくことができます。取得いただきました専門性はこちらに反映されますので、お客様にも、どのパートナーがどのサービスの専門性を有しているか確認いただくことができます。
5. お問い合わせ窓口
登録に関してご不明な点はパートナー・アシスタンスまでお問い合わせください。日本語で入力いただくこともできます。海外のスタッフが機械翻訳で回答させていただく場合もございますので、言い回し等にぎこちない点がありますことご了承ください。
その他お役立ち情報
パートナーを検討する前に、もっとOracle Cloud Infrastructureに関する情報を確認されたい場合は、下記のような情報を提供しています。いずれもどなたでもアクセスできます公開サイトです。
Oracle Cloud Infrastructure 主要情報一覧
Oracle Cloud サービス概要
Oracle Cloud Free Tier
(Always Free&無償トライアル)
マニュアル
リージョン毎のサービス提供情報
東京/大阪リージョン最新情報
サービス・アップデート
技術情報
活用事例
セミナー情報
OCIエキスパートによりユーザーコミュニティ OCIjp
OCIに関する勉強会を開催しているコミュニティです。月に一度のペースでOCIユーザーや、OCIに興味があるエンジニアが集まってノウハウの共有をしています。こちらもパートナーでなくてもどなたでもご参加ができます。
*1:2021年5月末まで$1=120円のレートを適用
*2:2022年5月末まで$1=120円のレートを適用
*4:学校では教えてくれないビジネス日本語講座 【いってこい(ittekoi)】の意味と使い方は?~学校では教えてくれないビジネス日本語講座~ │ 外国人の転職・就職情報はNINJA
OCI FastConnect最強説
こちらの記事は更新時点の情報です。最新情報は公式サイト等をご参照ください。
※2019年12月15日に公開した記事ですが、最新情報の追記やその他の部分も修正して2022年1月6日に再度公開しました。
「Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2019」 を15日目(12/15)で止めないようにブログを開設しました。
9月に開催されましたOOW(Oracle OpenWolrd)2019*1で、「人々が、新たな方法でデータを捉え、知見を導き出し、そして、無限の可能性を得ること。それがオラクルのミッションです。」というオラクルの企業としてのミッションが発表されました。*2
お客様のデータ活用をご支援するAutonomous DatabaseやExadata Cloud Service等を最大限活用いただくためには、安定したセキュアなネットワークが不可欠です。さらにネットワーク費用を気にせず利用できることを支えるFastConnectは、OCIの中でも最強のサービス*と言っても過言ではないと思っています。
その最強説の信者として、SlackアイコンはもちろんFastConnectアイコンを愛用しているのですが、名前にちなんで風を巻いたオリジナルアイコンを無断作成していますが、誰も気がついてくれず、自己満足の世界です。
*個人の見解です。
はじめに-FastConnectとは
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は、Oracleが提供する第二世代のクラウドインフラストラクチャの名称で、お客様の環境から OCIへ接続する際に、専用のネットワーク(インターネットを使用しない)を介してクラウド接続するネットワーク接続サービスがFastConnectです。このマニアックなサービスだけを紹介する記事はないと思い、書いてみようと思いました。
まずFastConnectを語る上ではじめにお伝えしておくべき重要な注意点があります。FastConnectは、サービス名称ですのでFastとConnectの間はスペースを開けるのはNGです。スペースがあると閉域でセキュアな接続ができなくなります。これはGoldenGateと同じパターンと覚えていただければと思います。Data Guardもこの法則にそってスペースを開けない人がいますが、これはひっかけ問題です。話がずれてきましたので、本題に戻ります。
FastConnectの価格
価格表は至ってシンプルで下記2通りです。PAYG(従量課金後払い)もAnnual Flex(年額コミット前払い)も同じレートを採用しています。
https://www.oracle.com/cloud/networking/fastconnect-pricing.html
FastConnectの料金は、接続するポートの帯域と利用時間で計算ができます。1 Gbpsは¥25.5(/時間)、10 Gbpsは6倍の¥153(/1時間)、100Gbpsは約50倍の¥1,290(/1時間)です。常時利用した場合は、月額にすると25.5(¥) x 24(時間) x 31(日) =¥18,972と試算できます。また月額の料金は1のあとは八九七十二(はっくしちじゅうに)と九九のように覚えていただければ暗記できます。クラウドサービスは、インバウンドのデータ転送は課金されないのは一般的ですが、FastConnectの特長はアウトバウンドも含めたデータ転送費用が一切課金されませんので、オラクルから請求させていただくのはこの帯域の費用のみです。大事なことなので繰り返すとデータ転送料は金利手数料はジャパネットが負担Oracleが負担です。サブ1Gと言われる1Gpbs未満のサービスは提供を予定しておりませんが、1Gbpsも月額2万円弱(冗長化するケースが多いためその場合は2倍)のため、競争力のある価格設定と言えると思います。
OCI/FastConnectに接続するためのネットワーク費用は含まれませんので、後半で紹介されるネットワークのパートナー各社にご確認いただければと思います。
主要クラウドサービスとの比較
主要クラウドサービスでも同様のサービスを提供しており、そのサービス名称は下記です。グローバルのクラウドベンダーの5社の頭文字をとってAMIGOと覚えることを流行らせようと思いましたが、2020年10月22日現在でまだ流行の兆しは感じられません。AMIGO(スペイン語、ポルトガル語では友達)と親しみをこめておきながら、この後、価格の比較をしていきます。
- AWS: Direct Connect
- MS Azure:ExpressRoute
- IBM: Direct Link
- GCP: Interconnect
- Oracle: FastConnect
名称人気ランキングとしましては、王者AWSのDirect Connectからのれん分けをしているようで、1位 Connectが3社、2位がDirectの2社です。AzureのExpressRouteだけ仲間外れ感がありそうですが、ちなみにAlibaba CloudはExpress ConnectというAWSとAzureという偉大な先輩から一文字ずつ受け継いでいます。羽柴秀吉が丹羽長秀と柴田勝家から1字ずつもらったパターンです。
ここから価格比較をしていきます。まずはFastConnectの帯域が1Gbps/10Gbpsの2択である大人の都合上、1Gbpsのポートで10TBのデータ転送で比較します。価格は(A)接続するポートの帯域と、(B)データ転送の料金の組み合わせで決まります。夜な夜な各社のサイトを確認しながら計算したので間違っていたらすみません。こっそりご指摘をいただければと思います。USドルで表示されているところが多かったので、ドルベースで比較してみます。1ヶ月分は24時間 x31日=744時間で計算しています。
AWS Direct Connect 1Gbps-10TB: $632 (x4 FastConnect相当)
1G | 0.30 USD/時間 | 0.285 USD/時間 |
Equinix TY2、東京 | 0.0410 USD |
(A)日本でのポート時間料金 1Gbpsの場合は0.285 USD/時間 x744時間 =$212
(B)日本からEquinix TY2(東京までは)データ送信料金 (USD/GB) は0.0410 USDx10240 (GB) = $420
MS Azure ExpressRoute 1Gbps-10TB: $956 /¥107,113 (x6 FastConnect相当)
1 Gbps | $436 |
Zone 2 | $0.05 |
(A)1GbpsのStandard Price per month $436 =>$444[730hで計算とあるので744hに補正]/¥49,769
(B)Outbound Data Transfer pricing Zone2は 0.05 x10240(GB) =$512/¥57,344
Pricing - ExpressRoute | Microsoft Azure
IBM Direct Link 1Gbps-10TB: $1,355 (x8.6 FastConnect相当)
日本/シンガポール/香港 | $1,355 |
(A) 日本/シンガポール/香港 1Gbps $1,355
(B) なし
GCP Interconnect 1Gbps-10TB: $636 (x4 FastConnect相当)
1 Gbps | アタッチメントごとに $0.2778/時間 |
アジア(asia-east1、asia-east2、asia-northeast1、asia-northeast2、asia-south1、asia-southeast1) | $0.042/GB |
(A) 0.2778 x744(時間) =$206
(B) 0.042 x 10240 (GB)=$430
Cloud Interconnect pricing | Interconnect | Google Cloud
Oracle FastConnect 1Gbps-10TB: $158.1 (¥18,972)
Product | Pay as You Go (Port Hour) | Includes |
---|---|---|
FastConnect 1 Gbps | $ 0.2125 | No separate charges for inbound or outbound data transfer |
(A) $0.2125 x744(時間) =$158 (¥18,972)
(B) どんなに使っても無償
Dedicated Networking | Oracle FastConnect
表にまとめる下記になります。 ここで1Gbpsの帯域のサービス固定費に注目いただくと、既にこの時点でFastConnectが最安です。かつデータ転送費用は無償となりますと、データ転送量が増えるほど差が出る計算(IBM Direct Linkのみは固定)となります。よって、1Gbps界隈では最強の名をほしいままにしていると言えます。
(A)帯域 | (B)データ転送 | ||||
1Gbps | 10TB | 合計($) | |||
A | Direct Connect | 212 | 420 | 632 | x4 |
M | ExpressRoute | 444 | 512 | 956(¥107,113) | x6 |
I | Direct Link | 1,355 | 0 | 1,355 | x8.6 |
G | InterConnect | 206 | 430 | 636 | x4 |
O | FastConnect | 158 | 0 | 158(¥18,972) |
最近の若者のExcelに線を引かないスタイル*3の表だとこちら
ここで、 高品質 Everyday Low PriceをうたっているOKストアを見習って、高品質 Everyday Low PriceのFCストアのオネスト(正直)カード*4も用意しています。他社は1Gbps未満の帯域をご用意していますので、低帯域でデータ転送が少ない場合は、他社の方が低価格でご利用ができます。そのため、各社の最低スペックで、FastConnect相当の金額でどれくらい使えるか試算してみました。細かい計算は割愛しまして結果のみ記載します。
- AWS Direct Connect 50mbpsで3.3TB分 $160
- MS Azure ExpressRoute 50mbpsで2TB分 $158
- IBM Direct Link 100mbps $170
- GCP Interconnect 50mbpsで2.8TB分 $161
- Oracle FastConnect $158.1 (¥18,972)
この結果から、50mbpsの帯域で2TB未満/月の利用のお客様にとっては、FastConnectが最弱ということが証明されました。50mbpsの帯域では実質多くのデータを転送できないので、50mbpsを選択されている時点でほぼ間違いなくFastConnectでは勝ち目はないと思います。
ちなみにOCIの場合は、コストや要件的に閉域網や専用線での接続、つまりFastConnectの導入が難しい場合、つまりインターネットやIPsec VPNの接続におけるアウトバウンド転送は10TBまで無償というお財布に優しいポリシーもあります。
現実には、データ転送は実際の利用量に依存しますので、あらかじめ見積もることは少ないかも知れません。調べてみてわかったのですが、日頃からFastConnectの全世界共通、データ転送量無償の明朗会計になれていたせいか、各社がリージョンによってレートが異なったり、データ転送を計算するのが意外に複雑であったり勉強になりました。もちろん、このサービス単体で利用するわけではありませんが、セキュアな閉域接続を、予測可能でリーズナブルな価格で利用できるFastConnectの強みであると思います。
ただ安いだけではなく、性能面にも少し言及させていただきます。8月に開催されましたModern Cloud Day Day*5の中で、某お客様が実際に接続検証された結果を発表されていました。資料は公開されてませんが、お客様DCから各クラウドへのレイテンシーを計測された結果、他社サービスが2ms~3msに対して、OCI/FastConnectは1ms以下ということでFast(速い)の冠に恥じないパフォーマンスを見せていました。この結果が、ちょうどお盆の帰省ラッシュを連想させる時期でしたので、ただ利用ユーザーが少なくて回線が空いていたということでないことを期待しています。
また、冗長化をされていれば、FastConnectは99.9%のSLA*6を保証しています。
パートナー各社のFastConnect接続サービス
オラクルのサービス提供範囲は、FastConnectロケーションにありますFastConnectのポート部分とその先のOCIのクラウドサービスになります。お客様環境から、このFastConnectまでの接続をご支援いただくパートナーとの協業が不可欠となります。各リージョンのプロバイダーはリストで確認ができます。APAC Network Provider and Exchange Partnersを参照いただくと、東京リージョンのプロバイダー数が、ソウル、ムンバイ、シドニーと比較して突出していることが一目瞭然かと思います。これは、日本市場の閉域へのニーズの高さと、日本を代表する主要なプロバイダーのFastConnectへの高い期待**と感じています。主要なプロバイダーのサービスをご紹介します。
**個人の感想です。
Oracle プロバイダー経由 (With an Oracle Provider) :
まずは信頼と実績のあるOracleプロバイダーのサービスをお勧めします。( )内は接続リージョン、[ ]内は各クラウドベンダーの対応状況をAMIGO表示しています。
-
Equinix Fabric™サービスプロバイダー一覧 | エクイニクス
(東京/大阪)[AMIGO]: 主要なクラウドプロバイダーと接続しているECX Fabricをご利用中のお客様でしたら、月額約23,900円でFastConnectに接続可能です。 -
KDDI Wide Area Virtual Switch 2 クラウド接続 for Oracle Cloud (東京/大阪)[AMIGO]: 国内でシェアが高いKDDI WVS 2で、Oracle Cloudへの接続サービスを提供しています。
-
(東京/大阪)[AMIGO]国内シェアNo.1のNTTコミュニケーションズが提供する古くはOCI-CからFastConnectをサポートしている日本初の実績のあるサービスです。
-
NTT東日本 クラウドゲートウエイ クロスコネクト (東京)[AMGO]: フレッツの閉域網からクラウドサービスへの接続を提供するサービスです。ベストエフォート型で多拠点からの接続も低価格でご利用できます。
-
Oracle Cloud接続サービス | TOKAIコミュニケーションズ
(東京/大阪)[AMIGO]: AWSのネットワーキング分野で国内唯一コンピテンシーを取得しており、豊富な実績を誇るTOKAIコミュニケーションズはFastConnectだけでなく、お客様拠点からインターネットVPN接続のサービス*7も提供しています。
- SINET(学術情報ネットワーク) (東京/大阪)[AMO]: 2019年10月24日からSINET経由でのOCI接続を開始しました。SINETノードとOCI/FastConnectを繋ぐ回線費用についてはジャパネットがオラクルが負担しますので、データ転送費用無償と組み合わせて研究機関の方はリーズナブルにご利用いただくことができます。
- Colt Dedicaed Cloud Access (東京/大阪)[AMIGO]: グローバルで展開しているColtが広帯域を高品質、低価格で接続するサービスを提供しています。
-
アット東京 Oracle Cloud Infrastructure FastConnect|クラウド&DC間接続サービス ATBeX
(東京/大阪)[AMIGO]: 2020年4月23日からOracle Cloudへの接続サービスをを開始しました。アット東京様のDCをお使いのお客様や通信事業者様は既存システムとのハイブリッド・クラウド環境や、他のクラウドベンダーと組み合わせたマルチクラウド環境もご利用いただくことができます。
コロケーション (Colocation with Oracle)
- Equinix: 東京リージョンのFastConnectロケーションであるEquinix TY4という大手町のDCから、コロケーションで接続できます。
- NTTデータ: 大阪リージョンのFastConnectロケーションであるNTTデータの堂島のDCから、コロケーションで接続できます。
サードパーティプロバイダー(With a Third-party Provider)
上記リスト以外のプロバイダー(キャリア、DC事業者)もサードパーティプロバイダーとして、FastConnectへの接続いただくことができます。
新規参入
10月-11月のRWC(Rugby World Cup)2019では南半球の強豪が日本に押し寄せましたが、その熱気が冷めやらない11月末にオーストラリアから注目のベンダーが上陸しました。
- Megaport [AMIGO]オーストラリアに本社のあるマルチクラウドの接続サービスをNaaSとして提供するMegaportが2019年11月末から日本でのビジネスを開始しました。AMIGO相互接続がより簡単になり、日本語版のトップページにありますとおり「日本のクラウド接続を変える」ことが期待されます。その凄さはこのスペースだけで語り尽くせないため、まずは著名なブロガーである@shirok氏の下記ブログを参照いただくことをおすすめいたします。
日本では東京・大阪の11拠点から提供開始を予定しており、こちらのサイトから各DCのレイテンシーも確認できます。
Megaport Enabled Locations | Megaport Networks
価格もシンプルで、Ports、VCC(Vurtual Cross Connect)、MCR(Megaport Cloud Router)の帯域と本数、組み合わせを選択いただくだけです。ただしMegaportまでの接続は、お客様/キャリア様でご準備いただく必要があります。
Megaport Pricing | Megaport Networks
おわりに- 最強への道のり
5月の東京リージョン開設以降、着実にFastConnectの接続実績が増えてきております。単体で使われるサービスではないので事例としてスポットが当たりにくいですが、活用事例として紹介されているお客様の中でもFastConnectの利用は増えてきています。
Oracle Cloud Infrastructure(OCI) : お客様活用事例
グローバルではかなりの実績数を誇るものの、某メデイアでもコメントされている通り、ライバルに「8年遅れ」ての日本上陸となりました。国内の実績は最強と呼ばれるまでにはまだまだ道のりは長いですが、Oracle Cloudの巻き返しの鍵はFastConnectが握っていますし、国内でのOracle Cloudの活用が進んだときこそ、FastConnecが真の最強のサービスになったと言える***と思います。
今後も開設が予定されている大阪リージョンへの対応、MS Azureとの相互接続等、話題が盛りだくさんのFastConnectをこれからも応援よろしくお願いします。
それでは、また来年お会いしましょう。
***諸説あります。
*1:OOWまとめ
*3:なぜ最近の若者はエクセルに線をひかないのか?
*5:Modern Cloud Day Tokyoの資料ダウンロード
https://www.oracle.co.jp/events/moderncloudday/2019/