この記事は、Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2024 の22日目の記事として書いています。2024年12月時点の情報となります。公開内容を中心に記載していますが、リリース前の製品内容も含むため予告なく変更となる場合があります。記載の内容は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。
- はじめに
- Oracleが提供する分散クラウド
- 専用クラウドの選択(Dedicated RegionとAlloy)
- DR25の特徴を最小3ラック~にちなんで3つ
- Alloy/Dedicated Regionの事例
- よくお問い合わせをいただくご質問
- さいごに-Oracle CloudWorld Tour Tokyoのご紹介
はじめに
2024年もまもなく終わろうとしていますが、2025年にはそのサービス名に年を冠したDR25がいよいよ提供開始となります。 OCI(Oracle Cloud Infrastructure)の専用リージョンの提供形態の一つであるOCI Dedicated Region(Dedicated Region Cloud@Customer)の2025年版になりますので、DRCC25でも良さそうですが、発表内容の通りDR25と表記します。まだ発表前でベールに包まれている部分も多いのでOracle AlloyやDedicated Regionの情報も含めてご紹介します。私事ですが、20年来の友人が11月に本を出版したことに触発されて、今回ブログを更新しました。
Oracleが提供する分散クラウド
Oracleは、世界中の必要な場所でお客様が利用できる分散クラウドを提供しています。
2. パブリッククラウドはOCI以外にもAWS、Azure、GCPといったハイパースケーラーが提供しています。1. マルチクラウドは、それらの他社サービスと連携したり、ときにはサービス内でOCIのサービスがご利用できるOracle Database@Azureのような踏み込んだサービスを提供しています。3. ハイブリッドクラウドも同様で、OracleではExadata Cloud@Customer等ありますが、さまざまなベンダーから各社の特徴を生かした製品が提供されています。中でも4. 専用クラウドに関しましては、パブリッククラウドで提供している100種類以上のお客様/パートナー様のデータセンターで提供できるという観点で、今現在はOracleの独自性を出しやすい分野と考えます。次のトピックではまず専用クラウドからご紹介します。
専用クラウドの選択(Dedicated RegionとAlloy)
専用クラウドには、OCI Dedicated RegionとOracle Alloyがあります。Dedicated Regionのサービスはお客様のデータセンターに設置して、オラクルが設計と運用をするお客様向けの専用クラウドです。それに対して、Alloyはパートナー様のDCに設置して、設計と運用はパートナー様が独自のカスタマイズを加えてお客様に提供するパートナー様向けの専用クラウドと言えます。後述します事例に関して日本のパートナー様の事例が多いのは、お客様ご自身がクラウドを導入するよりも、パートナー様と協業するケースが多い日本市場の特徴と言えると考えます。
そもそもAlloyという言葉になじみがなくてピンと来なかったので、辞書を引いたらなんとなくわかりました。Alloyとは、合金「溶けたときに通常混ざり合う、あるいは互いに溶け合う、2つ以上の金属または金属と非金属の成分から成る混合物」です。つまり、OCIというCloud(金属)と、その地域に根差したパートナーが持つオペレーション(非金属)を混ぜ合わることによって、より良いAlloy(合金)を生みだせると解釈しました。(諸説あります)
“The reason we call it Alloy is that it's all about bringing the best that we have to offer at Oracle and combining it with the best that our localized operators and partners have,” says Clay Magouyrk, executive vice president of Oracle Cloud Infrastructure (OCI). “Together, we actually have a cloud that has more strength than either of the two individually.”
Oracle helps any company become a cloud services provider with Oracle Alloy
DR25の特徴を最小3ラック~にちなんで3つ
・最小3ラック~で、高密度/低密度ラックを選択可能
・横並びでないラック配置で柔軟なレイアウトが可能
・ラックレベルの保護を備えているためケージが不要
DR25の導入により、すべてのサービスを備えたフル機能のパブリッククラウドをお客様のデータセンターに導入できるDedicated Regionのコンセプトをそのままに、より柔軟な構成で、より簡単に迅速に利用ができるようになります。
DR25は、10月にラスベガスで開催されたOracle CloudWorld 2024で発表されました。その際の記事にラックのイメージ画像も含めてわかりやすくまとまっておりますので、こちらをぜひご参照ください。本記事を読めば大体のことは理解できたのではと真っ当なコメントをいただきそうですので、イメージだけ確認したらこちらに戻っていただけれと思います。
Alloy/Dedicated Regionの事例
DR25はまだ提供前のため、Dedicated RegionとAlloyの事例をご紹介します。
Dedicated Regionは、NRI(野村総合研究所)様が世界に先駆けて導入いただきました。
野村総合研究所、専用パブリッククラウドを自社データセンターに導入 〜「Oracle Cloud」dedicated regionを世界で初めて採用〜| ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)
現時点で日本で公開されているAlloyの事例はNRI様、富士通様、NTTデータ様があります。
野村総合研究所、自社のデータセンターで稼働するクラウドサービスのメニューを大幅拡充し、マルチクラウド戦略を加速 | お知らせ | 野村総合研究所(NRI)
富士通とオラクル、日本市場におけるデータ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供に向け戦略的協業 : 富士通
NTTデータとオラクル、日本市場におけるソブリンクラウドのサービス強化に向け協業 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
よくお問い合わせをいただくご質問
Q1. DR25はいつから提供開始ですか?
・2025年内を予定です。
Q2. DR25もDRCCのように2リージョン必要ですか?
・はい。少なくとも2リージョンは必須です。
Q3. DR25でも100以上のOCIサービスはサポートしますか?
・はい。拡張ラックの導入によりGPU、ExaCSやOCVSもサポートします。
Q4. DR25にはケージの構築が必要ですか?
・いいえ。DR25は各ラックごとに個別に保護しますのでケージは不要です。
Q5. DR25では1ラックでどの程度のキャパシティが提供されますか?
・高密度ラック:サーバー12台 4.6K cores, 74TB RAM, 2.4PB Storage
・低密度ラック:サーバー6台 2.3K cores, 37TB RAM, 1.2 PB Storage
Q6. DR25では1ラックで必要な電力量は?
・高密度ラック:サーバー12台 14.4kW
・低密度ラック:サーバー6台 7.2kW
Q7. DR25の価格は?
・基本は最低利用年数と金額の設定があります。お客様が導入する構成や契約条件によって価格が決まりますので、Oracleの担当営業までご相談ください。
さいごに-Oracle CloudWorld Tour Tokyoのご紹介
この記事でご紹介しましたAlloy/Dedicated Region/DR25も含めた最新の情報を、2025年2月13日のOracle CloudWorld Tour Tokyoでもご紹介します。先行してAlloy/Dedicated Regionを導入いただいたパートナー様の登壇や展示もあります。もちろん、専用クラウド以外の内容も盛りだくさんですので、ぜひこちらのリンクからお申し込みをいただければと思います。今すぐお申込みいただければと思います。
こぼれ話ですが、カプセルトイ社から発売されている「手のひらネットワーク機器」にのシリーズをいくつか持っているのですが、いつかDR25が制作されないか夢にみています。実現しましたらDR25の仕様に合わせて最低3ラックからの購入でお願いします。おあとがよろしいようで。